年間スローガン


Challenge from TOKACHI to the WORLD

挑戦が未来を創る

基本方針


「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。ゆえに夢なき者に成功なし。」

私塾「松下村塾」を開き、のちの明治維新で多くの若者に思想的影響を与えた、吉田松陰が遺したこの言葉は、青年会議所という場に身を置く私たちにこそ、重く響きます。私たちがこの十勝で何かを変えようとするならば、その起点はいつだって夢であり、志であり、そして行動です。

はじめに

世界は今、かつてないほど激しく、そして複雑に変化しています。地政学リスク、AIの台頭、脱炭素社会への転換、新興国の成長、価値観の分断。私たちが生きるこの時代は、正解が見えにくく、変化のスピードが常識を追い越していく、まさにVUCAそのものです。こうした世界の変化は、決して遠い国々の出来事ではありません。いまや地方に暮らす私たちの暮らしや働き方、地域の未来にまで直接影響を及ぼす時代に入っています。実際、世界の多くの地域では「挑戦を支える土壌」をいかに育てるかが、未来を切り拓く鍵とされてきました。アメリカのシリコンバレー、イスラエル、UAEなどに共通するのは、多様な人財と文化が交わる場、失敗を許容する制度と風土、資金や知識や仲間が循環する仕組みを備えていることです。

日本社会もまた、長期にわたる経済の成熟と人口減少のなかで、かつてのやり方が通用しなくなっています。特に地方においては、「挑戦したい」という意志があっても、その一歩を支える仕組みや空気が整っておらず、芽が育つ前にしぼんでしまう現実があります。

十勝も例外ではありません。農業、観光、独自の文化といった豊かな地域資源を持ちながら、それを未来に活かす仕掛けが不足しているのが現状です。

今必要なのは、挑戦を促す文化と、つながりの構造です。異なる価値観や世代が出会い、失敗を前向きに捉え、挑戦する人が知識や仲間、機会と出会える環境。そうした“挑戦の土壌”を、私たちの地域にも育てていかなければなりません。

SDGsが国連で採択されてから十年。持続可能な社会の実現が問われる今、私たちの地域も、世界とつながり、世界から学び、そして未来へ挑む土を耕す覚悟を持ち挑戦を続けるべきなのです。

世界へ挑戦する十勝を想像し創造する

十勝には、世界に誇れる可能性が確かにあります。広大な大地と豊かな食資源、多様な一次産業、自然と共生する暮らし、そして何より、地域を愛し支え続けてきた人々の営みこそがこの地の誇りです。しかし、その価値は一部の人々には届きつつあるものの、地域全体にとってはまだ当たり前の日常に埋もれてしまい、その魅力を自分ごととして実感しきれていないという現状があります。世界に誇れる可能性があるにもかかわらず、それを本気で伝え、育てていく空気はまだ地域のなかに十分には根づいていません。

私たちが今、向き合うべきは「挑戦することが当たり前になる空気」をこの地域に育てていくことです。今ある環境のなかで一歩を踏み出すこと。それを支え合い、認め合う風土が根づいたとき、十勝の魅力は内から外へ、そして世界へとより大きく広がっていきます。

想像とは、未来を信じて描く力。創造とは、それを形にしていく意志と行動。私たち青年会議所は、挑戦の連鎖を生み出す触媒となり、十勝を誇れるまちへと導く旗手でありたい。地域の価値を再定義し、仲間と共に未来を描き、挑戦していきましょう。

世界へ挑戦するグローバルシチズンへの支援

今私たちは、国境や立場を越えて連帯し、学び合い、課題を解決していく「グローバルシチズン」の存在が、かつてないほど重要な時代に生きています。技術革新、気候変動、人口減少。こうした複雑な問題に対して、単一の国や組織ではもはや対処しきれません。

必要なのは、世界を自分ごととして捉え、行動する個人の力。挑戦する意志と越境する視野を持つ、グローバルシチズンの存在です。十勝には、その土台となる原石が眠っています。農業・環境・食・地域社会それらはすべて、世界とつながるテーマです。十勝の若者が、地域課題に向き合いながらも世界の動きを知り、そこで得た視点やネットワークを再びこの地に還元する。そうした循環を生み出すことで、十勝は「世界とつながる地方」へと変わっていきます。

そして私たちが所属している青年会議所の強固なネットワークを用いれば、それは現実となります。私たち青年会議所は、その挑戦を支え、背中を押す存在でありたい。語学や異文化理解だけでなく、対話・協働・発信の力を育む機会を提供し、世界で活躍するグローバルシチズンの第一歩を、この地域から生み出していきます。その先にあるのは、地域が世界に開かれ、誇りと希望をもって未来へ歩む新しい十勝と共に歩んでいきましょう。

現代に合わせた組織への改革を

帯広青年会議所は、68年という長い年月をかけて築き上げられてきた地域の信頼と誇りを背負う組織です。その歴史には、時代ごとに試行錯誤しながらも、変革を続けてきた先輩諸兄姉の挑戦が刻まれています。私たちはその歩みに、まず深い敬意と理解を持たなければなりません。

そのうえで、私たちは次の問いに向き合う必要があります。

果たして今のままの組織で、次の10年を語ることができるのか。

現代は価値観が多様化し、働き方や人とのつながり方も大きく変わりつつあります。多様性という言葉を、都合の良く楽をするための口実にしてはいけません。組織が多様であるとは、異なる価値観を受け入れつつも、共通の目的に向かって高め合える集団であるということです。改革には必ず、批判も伴います。ですが、現状維持に甘んじれば、組織はやがて形だけの存在として朽ちていく。挑戦しなければ、次の世代にこの帯広青年会議所を引き渡す資格はない。10年後も十勝で必要な組織であり続けるために共に挑戦を続けてまいりましょう。

誰もが挑戦を続けられる青年会議所へ

私たちが活動するこの時代は、AIやデジタル化など技術革新が日々進み、社会全体が効率を重視する方向へと加速しています。タイムパフォーマンスという言葉に象徴されるように、限られた時間のなかで最大の成果を求める風潮は、私たち青年会議所の活動にも確実に影響を及ぼしています。

だからこそ組織の基盤は、常にアンテナを張り、革新的な仕組みや便利なツールを柔軟に取り入れ、組織全体へ積極的に共有する役割を担わなければなりません。情報管理や会議運営の効率化、デジタルの活用は、挑戦する時間を生み出すための大切な改革です。

一方で、私たちは古き良きものを大切にしてきた組織文化の価値も忘れてはなりません。礼節、議論、先輩からの学び、現場で培われる責任感、それらは、どれだけ技術が進んでも、青年会議所でしか得られない芯の強さを育てる財産です。

かつて先輩諸兄姉たちが作り上げた、厳格で何事にも全力で挑戦する「運営の帯広」が色濃く残る我が一般社団法人帯広青年会議所だからこそ、その精神と現代的手法の融合が求められています。私たちは青年会議所メンバーがこの組織に何を求めているのかを理解し、挑戦を継続できる環境とメリットを提供しなければなりません。一人ひとりがここにいてよかったと実感できる組織の土台を、私たちの手で築いていきましょう。

地域を想う挑戦者たちを集うブランディング

青年会議所は、まぎれもなく地域の未来を真剣に想い、行動している挑戦者たちの集まりです。まちづくり、青少年育成、国際交流、災害支援、地域経済の活性化。そのすべてに情熱を注ぎ、時には家庭や仕事を超えて挑み続ける姿勢は、どの地域団体にもない誇り高き運動を作りあげています。

しかし現実には、私たちの活動は外から見えにくく、伝わりにくい。JCって結局何をしているの?と問われたとき、端的で丁寧な言い回しがまだ十分に整っていない。これが、今の帯広青年会議所が抱えるブランディング上の最大の課題です。

私たちは、ただ情報を発信するだけではなく、この組織に入れば必ず挑戦できる、そして挑戦すればするほど人生が実りあるものになるそんな確信と期待を、言葉と行動で届けていかなければなりません。十勝に暮らす20歳から36歳の青年たちは、今何を求めているのか。安定か、自由か、仲間か、学びか、それとも社会とのつながりか。そのリアルな感情と志向を正しく捉えずして、響くブランディングは生まれません。

地域を想い、自らも高めていきたいと願う挑戦者たちが自然と集う組織へ、そのイメージと言葉をデザインし、未来につなぐブランディングを創造しましょう。

伝統を守りさらに昇華させる

私たち帯広青年会議所は、長年にわたり地域に深く根ざした伝統的な冬の一大事業に参画してきました。地域に暮らす人々の記憶と共にあり、世代を越えて愛されてきたこの事業は、まさに私たちが地域と共に歩んできた証です。2026年度も変わらず、私たちはその歩みを止めることなく、誇りを持って参画していきたいと考えています。

しかし、ただ守るだけでは、やがて色あせてしまうのもまた事実です。今、私たちに求められているのは、この伝統的な地域の催しを、どのように未来へとつなげていくかという問いに対する挑戦です。国際的な視点を取り入れ、海外からの交流や多文化理解の要素を加えることで、これまでになかった広がりと深みを加えることができるはずです。子どもたちの笑顔が生まれる風景を、より多くの人々と分かち合える機会とし、地域が誇れる行事としてさらに昇華させていくことが、私たちの使命です。

なによりも、未来を担う子どもたちの記憶に残る体験を創り出すことは、地域の希望を育てることに他なりません。この事業を守り、進化させ、十勝に豊かな未来を築くための最大のミッションに挑戦していきましょう。

青年会議所ネットワークを用いた最高峰の人財育成プログラム

青年会議所に入会する多くの方々は、胸の内に期待と不安の両方を抱えています。挑戦したい、自分を変えたい、社会に関わりたい、そうした前向きな気持ちの一方で、馴染めるのか、何が得られるのかという戸惑いもまた事実です。

だからこそ、青年会議所ならではのネットワークを最大限に活かした人財育成が求められます。地域を越えた同志との出会い、異業種の交流、経験を積んだ先輩たちからの学び。今まで培ってきた、挑戦者たちが迷わず成長の軌道に乗れるよう設計された育成プログラムを用いていかなければなりません。育てるというのは、ただ多様性を受け入れる人ではなく、多様性のなかにある本質を見極め、古き良きものも理解し、行動に昇華できる人財です。礼儀・段取り・議論・責任、先人たちが築いてきた価値観のなかにこそ、地域社会で信頼される芯の強さが宿っています。

最終的に目指すのは「地域課題を自分ごととして挑戦できる人財」です。地域経済や社会課題を、どこか他人ごととして眺めるのではなく、自らの人生と重ね合わせ、行動に移す力を育てる。青年会議所という挑戦の場だからこそ、その人財育成は可能だと、私たちは信じています。

この1年、私たちはJCネットワークを活かした学びと経験の仕組みを磨き、十勝に、そして日本各地に、未来を切り拓く挑戦者を育ててまいりましょう。

おわりに

冒頭で引用した吉田松陰の言葉のように、ただ挑戦するだけでは成功には届きません。なぜ本気で地域課題を解決しなければならないのか。今、何が必要とされているのか。そして、どうやって十勝を変えていくのか。私たちはその問いを自分ごととして捉え、考え続け、行動し続ける組織でありたいのです。

地域に変革を起こすには、未来を見据え、立場や世代を越えたパートナーシップを結び、困難を恐れず挑み、学び続けること。多様な価値観を受け入れ、創造性に富んだ共感と連携を広げる運動を展開すること。青年会議所というフィールドを通じて、私たちはそのプロセス自体を楽しみ、仲間と共に成功への道を切り拓いていくのです。

もしかしたら失敗するかもしれない。

信頼していた仲間が離れていくかもしれない。

自分だけが取り残されるかもしれない。

事業が停滞するかもしれない。

社業や家族に理解されないかもしれない。

それでも、私たちは挑戦し続けます。挑戦こそが、私たちの「生きがい」だからです。

その一つひとつの壁を乗り越えた先に、私たちは地域の未来と自分自身の可能性が重なり合う場所にたどり着くと、私は信じています。