4月第二例会 「とかち帯広の国際的なまちづくりを目指して」【2025.04.25】
2025年4月25日(金)とかちプラザにて、4月第二例会「とかち帯広の国際的なまちづくりを目指して」が開催されました!
本例会は、とかち帯広での国際的なまちづくり、インバウンドの可能性を学ぶ機会として、日頃からとかち帯広の観光事業を牽引している講師や多くの旅や、海外居住などの経験を持つ講師をお招きし、どうすればとかち帯広が選ばれる地域になれるのかということを学び、考え、多くのステークホルダーとの連携のきっかけとなることを目的として行いました。
この記事の目次
1、理事長挨拶

まず始めに、一般社団法人帯広青年会議所 理事長 米澤 祥隆(よねざわ よしたか)君より
「十勝の魅力を国内外に発信し、インバウンド促進を目指す本運動は、行政・企業・地域の連携が鍵です。本日は観光分野でご活躍の講師をお迎えし、とかちの可能性と選ばれる地域づくりについて学ぶ機会といたします。共に未来を描きましょう。」とのご挨拶がありました。
2、第1部 講演 「とかち帯広の観光の課題と可能性」

第1部講演 「とかち帯広の観光の課題と可能性」では、北海道ホテル社長 林 克彦様(はやし かつひこ)様からご講演をいただきました。林様からは地政学的視点や「アドミン」(アドレナリン×ドーパミン)を活用した観光戦略、人材育成、そして世界各国で得た経験をもとに、地域の未来について紹介していただき、北海道・十勝が持つ豊かな自然資源や観光力を活かし、観光と一次産業を掛け合わせた“新結合”による持続可能な成長が、これからの鍵となることや、温暖化に伴う海産物の変化や寿司文化の発展可能性、インバウンド需要への具体的対応事例なども紹介していただきました。

さらに、地域資源の価値を見つけ出し、磨き上げることの重要性を「棚から牡丹餅」に例え、眠れるチャンスを掴む視点の大切さについて教えていただきました。冬の期間に凍った湖に穴をあけ、サウナで体を温めた後に湖の冷水に浸かってクールダウンする「AVANTO(湯宿くったり温泉レイク・イン)」等を事例に、地域にはすでに大きな可能性が眠っており、それに「気づき」「磨き上げる」努力こそが、これからの地域づくりに欠かせないという力強いメッセージをいただきました。
3、第2部 講演 「ぼくが選ぶ旅の外せないポイント」

次に、株式会社Wellness×Asia 代表取締役社長 島袋 直樹(しまぶくろ なおき)様からご講演をいただきました。
はじめに、ご自身の人生が「旅」と「ソーシャルメディア」によって大きく変わったという、実体験に基づくお話をしていただきました。新しい土地を訪れ、人と出会い、情報を発信し続けたことで、想像もしなかったチャンスを手にされたことを語っていただき、その言葉には大きな説得力がありました。
現在居住されているシンガポールでは、日本というブランドが非常に高い人気を誇っていることもご紹介いただきました。その視点から、とかち帯広エリアにおける広大な農村風景や、豊かな食・自然体験を核とした富裕層向けラグジュアリーツアーの可能性についても高く評価していただき、具体的なご提案を頂戴しました。 最後に、ソーシャルメディアへの挑戦について、次のような温かい励ましの言葉をいただきました。
「最初は発信してもリアクションが少なく、不安やつらさを感じるかもしれません。しかし、発信は特別なことではなく、日常の一部として自然に取り組めるようになります。どうか勇気を持って、一歩踏み出していただければと思っています。」
4、第3部 トークセッション 「地方都市とまちづくり」

トークセッションでは、冒頭に昨年度まで帯広市の地域おこし協力隊として活動し、今年4月に独立されたスカイプラス代表 工藤 陽司(くどう ようじ)さんをお迎え、現在取り組んでいる「帯広食べ歩きまち株式会社」での中心市街地活性化への挑戦などについてご紹介いただきました。続くトークでは、島袋様からとかち帯広の印象について「本当にすべてが印象に残る素晴らしい体験ばかりだった」と感想を語られ、ミルクサウナや帯広北の屋台などでの感動を語っていただきました。また、トークの中で帯広の北の屋台誕生秘話についても紹介がありました。2002年、地域を活性化しようと一般社団法人帯広青年会議所の先輩たちが立ち上がり、活用が難しい駐車場スペースを上下水道を整備し、合法的に営業が可能な、世界でも珍しい屋台を実現。当初は「絶対に失敗する」と言われながらも、大成功を収めたまちづくりの努力が語られました。

また、十勝の食材についても話題が広がり、「アスパラガス」や「ジビエたたき」などが取り上げられ、そのクオリティはシンガポールなら4倍の価格でも驚かないほど素晴らしいと絶賛されました。十勝の一次産業の強さを背景に、無理なPRをせず、質の高い観光客を選んで受け入れるべきだという提案もなされ、本当に守るべき地域資源をどう扱うかという深い視点も共有されました。
さらに、サウナ文化についても話題は広がりました。海外ではサウナに時計やテレビを置かないのが一般的で、自然な時間感覚を大切にする文化があること、そして十勝でもフィンランド式に近い環境が整えられていることが紹介されました。地域づくりにおいても、最初から多くの人を巻き込もうとするのではなく、志を同じくする少数精鋭でスタートし、小さな成功体験を積み重ねながら信頼と実績を築いていくことの重要性が強調されました。知識と戦略を持ったリーダーシップの大切さについても言及され、印象に残るメッセージとなりました。

また、島袋さんからは、旅のコーディネーターに高額な費用を支払う理由について語られました。SNSで拡散されるためだけではなく、現地でしか味わえない「唯一無二の体験」こそに本当の価値があり、それが人生において大きな財産になるという考え方が紹介されました。実際に1泊300万円以上するプランにも挑戦し、その体験が後の人生や会話の中でかけがえのないものになっているとのことでした。旅は単なる消費ではなく、自分自身への投資であるという視点が印象的でした。

また、町が「選ばれる存在」になるための仕組み作りの重要性について語られました。観光によって自然と人が増える流れを作りつつ、限定的な高付加価値体験やルールづくりなども展開していくべきであり、行政が民間を無理にまとめようとせず、民間が主導となって行政がそれをバックアップする体制が望ましいという提言がありました。民間が主導することで地域の力が引き出され、持続的な活性化につながることが期待されます。
今回のトークセッションを通じて、地域資源をどう活かし、未来に繋げていくかについて、多くの学びと気づきを得ることができました。これからのとかち帯広の可能性を感じさせる、熱量あふれる時間となりました。
5、国際的なまちづくりに向けてのビジョン説明

一般社団法人帯広青年会議所 とかちムーンショット開発委員会 委員長 川合 佑介(かわい ゆうすけ)君より、今年度の取り組みについて説明がありました。昨年度から実行委員会を立ち上げ、今年は、おびひろ氷まつりでJICAと連携し、国際的なまちづくりを推進。また、とかち帯広の魅力を磨き上げ、広く発信する事業にも力を入れています。さらに8月には観光・飲食分野の専門家を招き、地域資源の向上に向けたフィードバックを受ける機会を設ける予定です。現在、協力企業や団体を募集中で、観光事業者、飲食関係者、行政など幅広い参加を呼びかけており、とかち帯広の魅力を再発見し、世界に向けて発信する仲間づくりを目指して活動を進めています。
6、担当委員会の紹介

今回の例会を担当した、とかちムーンショット開発委員会の皆様です。
「とかち帯広の国際的なまちづくり」という大きなテーマに向かって日々奮闘しています!ステークホルダーも多く調整も大変ですが、本日例会でいただいた大変貴重なご意見とご提案を活かしながら、次につなげてまいります!
本日は本当にお疲れ様でした。
本日も最後までご一読ありがとうございました!

私たちは明るい豊かな社会の実現のため、社会貢献の活動と自己啓発トレーニングなどを通じて「まちづくりとひとづくり」をする団体です。一般社団法人帯広青年会議所は、共に感動を分かち合う仲間を募集しておりますので興味のある方は下記へご連絡ください。
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