青年会議所(JC)とは


 青年会議所(JC)は”明るい豊かな社会”の実現を同じ理想とし、次代の担い手たる責任感をもった20歳から40歳までの指導者たらんとする青年の団体です。

 青年は人種、国籍、性別、職業、宗教の別なく自由な個人の意志により、その居住する各都市の青年会議所に入会できます。

 60年以上の歴史をもつ日本の青年会議所運動は、めざましい発展を続けておりますが、現在約700の都市に35,000余人の会員を擁し、全国的運動の総合調整機関として日本青年会議所が東京にあります。

 全世界に及ぶこの運動の中枢は国際青年会議所ですが、100カ国以上に国家青年会議所があり、18万余人が国際的連携をもって活動しています。

 日本青年会議所の事業目標は、”社会と人間の開発”です。その具体的事業としてわれわれは市民社会の一員として市民の共感を求め、社会開発計画による日常活動を展開し、(自由)を基盤とした民主的集団能力の開発を推し進めています。

 さらに、日本の独立と民主主義を守り、自由経済体制の確立による豊かな社会を造りだすため、市民運動の先頭にたって進む団体、それが青年会議所です。

関係図

かんたんJC解説 3分動画


JCの三信条


1. 個人の修練

2. 社会への奉仕

3.世界との友情

 「この三信条は、JC運動とは、若いひとが集まって自己啓発、修練を行う場であり、培われた力を用いて地域社会にサービス(奉仕)する事である。そして、そのトレーニングサービスを支える力として会員全員、同志を貫くフレンドシップ(友情)がある。というものである」

 私たち青年会議所メンバーは、「修練」(Training)、「奉仕」(Service)、「友情」(Friendship)のJC三信条に則り、次代を担うリーダーとなるべく自己研鑽とメンバー同士切磋琢磨を繰りかえしながら、まちに貢献する活動を行うとともに、互いの友情を深める交流も行う等様々な活動を行っています。

青年会議所の特徴


 青年会議所には、品格ある青年であれば、個人の意志によって入会できますが、20歳から40歳までという年齢制限を設けています。これは、青年会議所と言う組織が青年の真摯な情熱を結集し、社会貢献することを目的に組織された青年のための団体だからです。会員は40歳を超えると現役を退かなくてはなりません。この年齢制限は青年会議所最大の特徴であり、常に組織を若々しく保ち、果敢な行動力の源泉となっています。 また、もうひとつの特徴として、各地青年会議所の理事長をはじめ、すべての任期は1年に限られるという「単年度制」も大きな特徴であり、会員は1年ごとにさまざまな役職を経験することで、豊富な実践経験を積むことができ、自己修練の成果を個々の活動にフィードバックさせていけます。 青年会議所におけるさまざまな実践トレーニングを経験した活動分野は幅広く、OBも含め各界で社会に貢献しています。たとえば国会議員をはじめ、知事、市長、地方議員などの人材を輩出、日本のリーダーとして活躍中です。

青年会議所の基本理念


 青年会議所は活動の基本を「修練」「奉仕」「友情」におき、会員は「明るい豊かな社会を築き上げる」ことを共通の理想としています。また、会員相互の啓発と交流をはかり、公共心を養いながら、地域との協働により社会の発展に貢献することを目的としています。

JC宣言

 日本の青年会議所は希望をもたらす変革の起点として輝く個性が調和する未来を描き社会の課題を解決することで持続可能な地域を創ることを誓う。

綱領

 われわれJAYCEEは社会的・国家的・国際的な責任を自覚し志を同じうする者 相集い 力を合わせ青年としての英知と勇気と情熱をもって明るい豊かな社会を築き上げよう。

日本の青年会議所は

 まず初めに、全国の会員にも外部の方にも、このJC宣言文の主体が誰なのかを明確にし、組織としての責任と役割、そして運動の方向性を再確認することが必要です。「青年会議所は」と明示することで、この宣言文が会員個人ではなく、「組織」としての宣言であることを示しています。また、「日本の」とすることで、国内における全ての青年会議所がJC宣言文の主語であることを明示し、志を同じくする全国の会員同士の強い「連帯」も表現しています。

希望をもたらす変革の起点として

 青年会議所は、明るい豊かな社会を創るために、社会により良い変化を生み出す「変革」を運動として  起こすことに挑戦し続けてきました。物事のはじまりを意味する「起点」は、青年会議所が「率先して行動する組織(Do-tank)」であれという矜恃を表現し、私達から社会変革を生み出していくという意志も表しています。

 そして、その運動によって生み出すものの本質は、誰もが、社会と自らの人生をより良くすることができると実感する「希望」であることを示しています。

輝く個性が調和する未来を描き

 昨今の潮流の中で、グローバリズムからナショナリズムへ、また利他から利己へと、行き過ぎた国家主義や個人主義が助長され、国家間のみならず地域社会の中においても「分断」や「対立」が生まれており、2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大によって、それは加速しています。本来であれば、考え方や生き方の違いは二項対立の構図ではなく、多様性や包括性といった価値観の中 で、異なる「個性」として尊ばれるべきものです。

 「調和」は、同調を強要し個性を抑圧するものではありません。「人間の個性はこの世の至宝である」と信じる青年会議所は、特定の政治思想にも、また、ナショナリズムや宗教、人種、ジェンダーにも偏らず、あらゆる若者が挑戦できる社会に開かれた組織であるからです。

 この様に、広がりつつある「分断」の時代において、様々な個性やアイデンティティの架け橋となる「未来を描く」強い意志を示しています。

社会の課題を解決することで

 青年会議所は「社会に対して何をする組織なのか?」という問いに対する明確な答えを表しています。地域に根差す青年会議所の運動は、社会の幅広い課題を抽出し、自らそれを解決することと位置付けています。

 「社会の課題」とは、地域固有の課題だけではなく、経済の再生や少子化、高齢化といった国家的な課 題、あるいは気候変動や人権問題といった国際的な課題を含み、およそ青年が取り組むべき様々な課題を包括しています。どの様な社会課題であっても、それは地域だけではなく国家や世界と複雑に関係し合っているからです。

 だからこそ、私たちは、多面的な「社会課題」を解決する運動を地域毎に起こし、そして、私たちが持つ組織のネットワークによって全国、あるいは世界的な運動へと拡大させ、より良い社会を創り出すことができることを表しています。

持続可能な地域を創ることを誓う

 日本の青年会議所は、1990年に「地方分権推進宣言」を、さらに、2019年には「SDGs推進 宣言」を総会で決議しました。

 「持続可能」とは、地域の人口や財政、環境を持続可能なものとするに留まらず、そこに住まう全ての 人々が笑顔で生きがいを持ち、自ら挑戦し続けることができる社会を意味します。全国各地の青年会議所が様々な社会課題を解決することで、自らが住まう地域を持続可能なものとし、そしてその総和によって「明るい豊かな社会」を創ることを誓う形で宣言しています。

(2020年11月05日 第165回総会-JCI日本-で採択)